スチール撮影知識|第4回「バストアップ撮影」

今日は「顔とメイクを魅せる」撮影に挑戦します。バストアップとは、胸から上を中心に撮る構図のこと。ヘアメイクの印象を一番美しく残すための距離・角度・表情を学びましょう。

本日のゴール(100分)

  • 顔の角度・目線・姿勢を意識して撮れるようになる
  • ヘアメイクの魅力を引き出す構図を理解する
  • お互いをモデルにして撮影を体験する

持ち物

  • カメラ一式(バッテリー・メモリーカード)
  • ブラシやコームなどヘア直し用具
  • 鏡・ティッシュ・メイク直しアイテム

ポイント

  • カメラ位置は目の高さまたは少し上が基本
  • 首の角度・肩のラインで印象が大きく変わる
  • 目線・表情をやわらかく。笑顔だけが正解じゃない

タイムテーブル

  1. 導入(0〜10分):前回復習・今日のテーマ説明
  2. デモ(10〜25分):講師がモデルで撮影例を見せながら構図・角度・距離を解説
  3. 実習①(25〜60分):ペア撮影(モデル役と撮影役を交代)
  4. 実習②(60〜85分):自分で構図を工夫して撮影(アップ・斜め・少し引き)
  5. まとめ(85〜100分):撮影結果を見比べて講評・共有

構図と角度のヒント

  • 正面:誠実で明るい印象。メイクの色味が伝わりやすい。
  • 斜め45度:小顔に見えやすく、立体感が出る。
  • やや上から:目が大きく見える。女性らしい印象。
  • やや下から:意志の強さ・存在感を表現。

ヘアメイクを引き立てる構図の考え方

「構図」とは、写真の中でどのように被写体を配置するかということ。ここでは、ヘアメイクの魅力を“どう見せるか”を考えるための3つのポイントを紹介します。

① メイクを見せたいのか、ヘアを見せたいのかを決める

まず「どこを一番見せたいか」を決めましょう。目的によって構図や光の向きが変わります。

見せたい部分おすすめ構図カメラ位置光の向き
アイメイク・リップ顔の正面アップ(目線あり)目の高さ〜少し上順光 or 柔らかい日陰光
チーク・輪郭顔の斜め45度目の高さサイド光(立体感)
ヘアアレンジ(アップ・編み込み)やや横〜後ろ45度少し高め逆光または斜め光

② 髪・肌・メイクがきれいに見える距離感をつかむ

距離で印象は大きく変わります。自分の作品に合う距離を探してみましょう。

撮影距離特徴向いている作品
近め(顔中心)メイクの細部まで見える/緊張感ありナチュラル/ブライダルメイク
中距離(鎖骨あたり)表情・髪・肌の質感がバランス良い雑誌風・広告風
やや遠め(腰上)雰囲気重視・ファッション感が出るクリエイティブ作品

③ 構図の中で作品を目立たせるバランス

どこに目線を置くか・どれくらい余白を取るかでも印象が変わります。

  • 目線を中央に: 安定感があり、メイクを強調したいとき
  • 目線を画面の三分の一位置に: おしゃれ・余白感のある見せ方
  • 頭上に余白をとる: ヘアアレンジやボリューム感を見せたいとき

💡ミニワーク

同じモデルを「正面」「斜め」「少し上」「少し下」から撮って比べよう。どの角度が一番“作品らしさ”を感じるかをグループで話してみましょう。

チェックリスト(実習ワーク)

項目できた?メモ
カメラ位置を目の高さ〜少し上に設定できた
斜め角度を使って立体感を出せた
表情や姿勢を工夫して撮影できた

今日の学びメモ

・一番良く見えた角度や表情は?:________________
・次回の撮影で試したいこと:_____________________

今日の提出物

  • 自分が撮影したバストアップ写真を1枚選び、なぜそれを選んだかをコメント付きで提出
  • 「光」「角度」「表情」のうち、どれを意識したかを明記する